あべろぐぷらす

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【書評】古橋信孝『ミステリーで読む戦後史』を読んでみた!【戦後ミステリーのブックガイド!?】

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こんにちは、あべし(@honjituno)です。

今日は古橋信孝さん『ミステリーで読む戦後史』を読んでみました!

戦後ミステリーを総復習!ミステリー小説から戦後の日本が浮かび上がってくる…!?

戦後史がテーマですが戦後ミステリーのブックガイドにもなっています!今回も早速レビュー記事を書こうと思います!

【書評】古橋信孝『ミステリーで読む戦後史』を読んでみた!【戦後ミステリーのブックガイド!?】

今回は古橋信孝『ミステリーで読む戦後史』を読んでみました!

 

いつも通り、まずは内容紹介をしていきます!

敗戦後の復興の光と影のなかで、『点と線』『ゼロの焦点』が書かれ、爆発的な人気を博し、推理小説に社会派という新たな流れをつくり出す。

 

さらに、高度成長期へと続く時代のなかで、『海の牙』や『人喰い』、騒音公害を告発する『動脈列島』などの作品が生み出されていく――。

 

ミステリーは謎解きが終われば、それで一応の役目は終わりとなるが、歴史のなかに位置づけることで、時代が抱える問題が鮮明に浮かび上がる。

 

はたして、ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたか。まったく新しい読み方で、一〇年ごとに時代を振り返る。

『ミステリーで読む戦後史』というタイトルの通り、戦後の日本をミステリー小説(日本推理作家協会賞や江戸川乱歩賞などの受賞作品)で振り返ります!

 

明治時代のミステリー黎明期や戦前についての話も少し登場する上に、戦後から10年毎に『その時代の特徴+ミステリー作品』のセットで解説が進みます。

大衆小説全般に言えることだと思いますが、小説はその時代の時代背景(社会問題など)を色濃く反映しているそうです。

いわゆるエンターテイメント系の小説はその時代、社会を直接反映して書かれている場合が多い。ならば、推理小説から書かれた時代、社会の問題や関心をみることができるはすである。 (p14)

ミステリー小説を読むとその時代がみえてくる…!面白い読み方!

戦後には戦中の厳しい抑圧、敗戦直後の混乱などから生まれた戦後文学っぽい作品。

 

高度経済成長期には急激な経済成長によって生じたゆがみ(公害問題など)を扱った作品といった感じですね。

 

本書のテーマはあくまでも『戦後史』ですが、ミステリーで振り返っているため戦後史ミステリーのブックガイドとして読むこともできます! 

 

新書ということもあり全体を通して少しかたい文章ですので、読みにくいなと思ったら興味のあるタイトルや時代を拾い読みしてみるのもいいかもしれません。

 

個人的には終戦の翌年(1946年)に横溝正史が『本陣殺人事件』を発表していたことや、松本清張が実は芥川賞を受賞していたことなどなど、ミステリーの雑学的な観点からも面白く読むことができました!

 

また最終章では戦後の歴史をメインテーマとしたミステリー小説が3作品紹介されています。

紹介されているのは佐々木譲『警官の血』、堂場瞬一『雪虫』、桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』だよ!

平成が終わり新元号『令和』を迎えようとしている今、ミステリー小説で日本の戦後を振り返ってみるのもいいかもしれません!

 

ただし一つだけ注意が!本書で紹介されているタイトルはほぼ全てネタバレしてしまっています…。

『あらすじ+犯人+犯行動機』のトリプルセット。戦後史を振り返るにはやむを得ない…。

あくまでテーマは『戦後史を振り返る』ですからね。気になっていたけど読んでいない作品タイトルが出てきたら、さらっとななめ読みするぐらいにとどめておきましょう。

まとめ

古橋信孝『ミステリーで読む戦後史』を読んでみました!

 

ミステリー小説で戦後日本を一気に振り返る一冊。

 

戦後史に興味のある方はもちろん、ミステリー小説が好きな方はぜひ手に取ってみて下さい!

最後に!ミステリー小説の歴史系のタイトルでは堀啓子さん『日本ミステリー小説史』もおすすめです!ぜひ合わせてチェックしてみて下さい!それではー!