こんにちは、あべし(@honjituno)です。今日は超有名なあの海外ミステリのレビューをお届けします。アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』を読み終えました!
念願の、というかようやく読み終えたという感じです。この作品を読んで、数あるクリスティー作品の中で、どうしてこの作品は有名なのか?納得しました。
もちろん今回も、ネタバレなしでレビューしていきますよ٩( ''ω'' )و
▼ポアロシリーズの順番紹介エントリはこちら!
ポアロ最強説!?アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』を読んでみた!
今日のレビューは、アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』。ポアロ作品8作品目、ようやくここまでたどり着きました。いつも通り、まずはあらすじから紹介していきます!
冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。
奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体で発見される。
偶然乗り合わせた名探偵ポアロが捜査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが……ミステリの魅力が詰まった永遠の名作の新訳版。(解説:有栖川有栖)
この作品を読み終えて最初の思ったことは…
『ネタバレなしに読めて良かった(*´▽`*)!』
です笑。名作であるがゆえに、ネタバレ遭遇率が高く、本当に警戒していたんです。だったら早く読めよ!という話ですが、作品順に読みたい性格なので、ここまで時間がかかってしまいました(;´Д`)。
どの作品もそうですが、真相はやはりポアロの口からききたいですよね!ということでネタバレには細心の注意を払いレビューしていきますよ!
アームストロング誘拐事件は実際に起こった事件がモデル!
早川書房版のオリエント急行の前書き部分に書かれていることなので紹介してしまうと、作中に出てくるデイジー・アームストロング誘拐事件は、実際にあったリンドバーグ誘拐事件がモデルになっているそうです。
リンドバーグ誘拐事件が発生したのが1932年。クリスティーがオリエント急行の殺人を執筆したのは1933年です。
事件の犯人が逮捕されたのが1934年、そして犯人が死刑執行されたのが1936年です。
身代金の支払いに使用された紙幣(リンドバーグ紙幣)がきっかけとなり、犯人逮捕へと繋がっていくのですが、クリスティーがオリエント急行を書いている時にはまだ未解決事件だったのです。
当時、注目度が相当高かった事件であることが伺えますが、それをいち早く自分の作品に取り込んでいるクリスティーは本当にすごいです。ちなみに、犯人は逮捕され死刑執行と決着はついていますが、犯人については諸説あるようです。
ネタバレ禁止の理由
これまでネタバレ、ネタバレ書いてきましたが、どうしてここまでネタバレに警戒しなければいけないのでしょうか??
それはクリスティー作品の中でもとりわけ物議を醸したといわれている『アクロイド殺し』に匹敵するような結末の意外性があるからです( ゚Д゚)!!
大雪で動けなくなってしまった列車の中で、殺人事件が発生する。容疑者はその列車に乗り合わせていた乗客たち…。しかし乗客たちには完璧なアリバイが…!犯行は誰の手によって、どのように行われたのか…。
ミステリ小説としては最高のシチュエーションですね!
読みながら感じたのはこれまでのポアロ作品とは違って、『読者のみんなもポアロと一緒に推理してみてね٩( ''ω'' )و』感がとても強いこと。
エラリークイーンの読者への挑戦まであからさまではありませんが、読みながら『犯人は?犯行手段は?』と一緒になって考えている自分がいました。
ポアロ最強説!?
で、めちゃくちゃ頑張って推理して、ポアロが披露するであろう推理をしてやるぞ!と思っても、絶対にポアロ、いやクリスティーには勝てません(;´Д`)。
結末を知った今だからこそツッコみたくなりますが、『ポアロ、一体どんな頭をしてるんだよ!最強かよ!』という話です笑。
どんなに腕に覚えのある読者でも、この結末にたどり着ける人はいないのではないでしょうか??以前紹介した有栖川有栖さん、北村薫さんコラボの『名作ミステリーきっかけ大図鑑』に登場する名探偵の中でも、同じ結論にたどり着ける人いるのかなと思います。ポアロ最強説を唱えたくなりました。
あえて強調して書いてみましたが、こういった作品を書くことができたからこそ、クリスティーはクリスティーの地位を確立できたのでしょう!とても納得感のある一冊でした!
まとめ
アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』を読み終えました!オールタイムベスト常連で、超名作なのでネタバレ恐怖でしたが、無事幸せに読み終えることが出来ました。
本作の結末の意外性から、思わずポアロ最強説を唱えてしまいたくなるほどでした笑。間違いなくクリスティーの地位をゆるぎないものにした作品の一つですので、まだ読んだことがない方はぜひネタバレ被害にあう前にチェックしてみて下さい!
今回読んだのは早川書房の背表紙が赤い『クリスティー文庫』版です。角川からも2017年に新訳版が出ているそうなので、再読する時はこちらを読んでみようかと思います٩( ''ω'' )وそれではー!