こんにちは、あべし(@honjituno)です。
今日はクラシックミステリーからあの(!)クマのプーさんの作者が書いたミステリー小説をご紹介!
A・A・ミルン『赤い館の秘密』を読んでみました!
[本日発売]
— 東京創元社 (@tokyosogensha) 2019年3月20日
『赤い館の秘密【新訳版】』A・A・ミルン/山田順子訳
(創元推理文庫/海外ミステリ)
『クマのプーさん』のミルンが書いた唯一の探偵小説、新訳決定版。
※電子書籍同時発売https://t.co/Gi1ab5cdD1
東京創元社さんから新訳版が登場!クマのプーさん著者が書いた探偵小説!?ホームズ型ほのぼのミステリーだよ!
今回も物語のあらすじやおすすめポイントを紹介しつつ、ネタバレなしでレビュー記事を書こうと思います!
※Youtube動画でも紹介しています!合わせてどうぞ!
【クマのプーさんミステリ!?】A・A・ミルン『赤い館の秘密』をネタバレなしで紹介!【創元推理文庫から新訳版で登場/書評】
【書評】A・A・ミルン『赤い館の秘密』を読んでみた!【クマのプーさんの作者が贈るホームズ型ほのぼのミステリー】
今回は東京創元社さんから新訳版で登場したA・A・ミルン『赤い館の秘密』を読んでみました!
いつも通り、まずは内容紹介をしていきます!
『赤い館の秘密』あらすじ紹介!
長閑な夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で銃声が轟いた。
死んだのは、15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄。発見したのは館の管理を任されているマークの従弟と、友人を訪ねてきた青年ギリンガムだった。
発見時の状況から当然マークに疑いがかかるが、マークは行方知れず。興味をひかれたギリンガムは、友人をワトスン役に事件を調べ始める。
『クマのプーさん』で有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説、新訳決定版。
クマのプーさん著者が書いた唯一の探偵小説!
冒頭から何度も紹介してしていますが、今回紹介する『赤い館の秘密』の著者はなんとあのクマのプーさんの生みの親、A・A・ミルン!
しかもミルンが書いた唯一の探偵小説と聞かされてしまうと、どうしても気になってしまいます!
『赤い館の秘密』はクラシックミステリではとても有名なので、もともとこの作品の存在は知っていましたが、なかなか読む機会に恵まれず…。
この度東京創元社さんの名作新訳プロジェクトのおかげで新訳版として初めて読むことが出来たのでした!
江戸川乱歩が選んだミステリ黄金時代のベスト10①赤毛のレドメイン家②黄色い部屋の謎③僧正殺人事件④Yの悲劇⑤トレント最後の事件⑥アクロイド殺し⑦帽子収集狂事件⑧赤い館の秘密⑨樽⑩ナイン・テイラーズ。
— かぎうじ@トゥパックにゃん (@gide2shark) 2014年7月30日
『赤い館の秘密』はあの江戸川乱歩が選んだランキングベスト10にも入っている名作なんだよ!
ホームズ型ほのぼのミステリー!
今回この作品を読んで受けた印象を一言で言ってしまうと、『ホームズ型ほのぼのミステリー』です!
ミステリー小説なので、もちろん殺人事件は起こります。
殺人事件は起こるし、シリアスっぽい展開もあるのですが、物語全体がそれを上回るほどのほのぼのとした雰囲気に包まれていました!
ミステリが読みたくなったのでA・A・ミルン『赤い館の秘密』読んでる。『くまのプーさん』の作者が書いたということもあり、人が死んでるのにすごくほのぼの。
— ミツ (@mi_tsu1006) 2011年9月14日
ちなみにプーさんは登場しないよ…!
そう、プーさんは登場していないのにこれほどまでにほのぼのした世界観が作られてしまうのは、やはり登場人物たち(特にホームズとワトスンの二人!)のユーモアあふれるやり取りのおかげでしょう。
物語の舞台は田舎の名士、マーク・アブレットの屋敷、赤い館。
オーストラリアに15年間滞在していたというマークの兄、ロバートが赤い館を訪れた午後、一発の銃声が響いた。
館に滞在中の友人に会うため、偶然にも事件発生とほぼ同時刻に館を訪問したギリンガムは、マークの従弟・ケイリーと共にロバートの死体を発見する。
本作は素人探偵のギリンガムとギリンガムの友人でワトスン役のベヴァリーのコンビの捜査により物語が展開していきます。
いわゆるホームズ型のミステリーですね!作中で『ホームズ!ワトスン!』と呼び合うシーンでは二人の関係性が素敵だと思ったし、作者のホームズ譚に対する尊敬の念が伝わってきました。
『赤い館の秘密』は今からおよそ100年前に発表された本格ミステリー黄金時代の作品。
現代ミステリでトレンドになっている『大どんでん返し』、『衝撃のトリック!!!』などなど、一切をそぎ落とした(といったら言いすぎかもしれませんが…笑。)『事件が起こる⇒探偵役が捜査する⇒謎解ける!』というとてもシンプルな展開。
シンプルだから物足りないということはなく、むしろ古き良き時代のミステリの魅力がギュッとつまっていると感じました。
本格ミステリー本来の面白さがこの作品にはあります。
100年前に書かれた作品なのに今日まで多くの人に親しまれ、読み継がれてきた理由はきっとそういうことなのかなと思いました。
シャーロック・ホームズが好きな方は、この『赤い館の秘密』も絶対に楽しめるハズです!基本ほのぼのなので『ガチのミステリーはちょっと怖い…』という方にもぴったりの作品ですよ!
ミルンが書いた唯一の探偵小説ということなので、続編を読めないのがとても残念!ほのぼのミステリのこの一作を全力で楽しんでください!
まとめ
A・A・ミルン『赤い館の秘密』をネタバレなしでレビューしてみました!
クマのプーさんの生みの親、ミルンの書いた唯一の探偵小説。ホームズ型のほのぼのミステリー。
およそ100年前に書かれた本格ミステリーですが、古き良き時代の古典ミステリーの魅力がギュッとつまった一冊です。
創元推理文庫の名作新訳プロジェクトにより新訳版が登場していますので、未読の方はぜひ手に取ってみて下さい!
同じく名作新訳プロジェクトによって『ミス・マープルと13の謎』など他にも新訳版が出版されています!ぜひ合わせてチェックしてみて下さい!それではー!